創価学会は、「東洋広布の大前提」とか言って、 在日朝鮮人帰国事業で、大勢の人を北朝鮮に送った。その中には多くの日本人妻もいた。『地上の楽園』と宣伝されていたが、実際には、『凍土の地獄』であった。創価学会・公明党の責任は重大だ。

そうですねー。質問の前提が誤ってますよ。
「創価学会は、在日朝鮮人帰国事業で大勢の人を北朝鮮に送る」
これはウソですねー。
こんなデマを言って、創価学会を攻撃しているのは、
日本共産党だけですよ。

どうして共産党が、「在日朝鮮人帰国事業」に
関連させて、創価学会を攻撃するのかと言えば簡単な話なのですよ。
それは公明党が、在日朝鮮人帰国事業に対する
共産党の責任を次のように、追及したからなのです。

「日本共産党は、北朝鮮を『地上の楽園』と宣伝して、
在日朝鮮人を積極的に帰国させた。
ところが帰国者が直面したのは、『地上の楽園』どころか、
『凍土の地獄』だった。どれほど多くの犠牲者が出たことか。
その責任は重大だ」

これは事実なのですねー。
「創価学会は帰国事業を積極的に進めた」
などというのは共産党以外、誰も言っていませんが、
「共産党が、帰国事業に最も大きな役割を果たした」
という事は、誰もが言っていることなのですねー。

共産党の、この「自分の罪を、他人に責任転嫁する」という
論理は、いったいどういうことなのでしょうか。

実は、共産党をよく知っている人間であれば、
誰でも、「いつもやっている攻撃パターンだ」と納得するのですよ。
自党に都合の悪いことは、
「客観的に不正なことであったとしても、ヘ理屈をつけて正当化する」
ということことですねぇ。

その論理は、「客観的に不正」というのは、
誤った資本主義社会の中での判断であって、
理想的な共産主義社会では、 逆に正しいのである」
というものなのですねー。

こういう論理のもとに、公明党から批判されたことに対して、
反撃をしたわけです。

ただ、しっかり、押さえておかなければならないことがありますよ。
それは、在日朝鮮人帰国事業というのは、人権・人道上の問題として、
最初に呼びかけたのは、赤十字国際委員会なのですねー。
事業主体となったのは、日本赤十字社です。

そして、事業を推進するため、在日朝鮮人帰国協力会を
昭和33年に発足させましたねぇ。
この会には、宮本顕治(共産党)、浅沼稲次郎(社会党)、
岩本信行(自民党)、鳩山一郎(自民党)
などという政治関係者の名前がありますねー。

さらに、総評、舞踊家、日中国交回復国民会議、東大教授、
平凡社社長、全日農、日朝協会、作家などという様々な団体の代表も
名を連ねていますよ。

これは、帰国事業が、人権・人道上の支援として、
学者や文化人も含めて、社会全体として、
賛同されたことを意味していますねぇ。
創価学会も、これらの団体と同じようなレベルで賛同したしたわけです。

ただ、この協力会の幹事長は、帆足計氏(社会党国会議員)、
事務局長は、印南広志氏(日朝協会・共産党員)でしたねぇ。
社共がこの団体を動かしていたと言われても仕方がないですねぇ。
そして、総力を挙げて推進したのは、言うまでもなく、
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)側の、
在日本朝鮮人総連合会(総連・朝鮮総連)ですねー。

重要なことは、この帰国協力会のメンバーの中に、
創価学会・公明党関係者はいないと言うことですねぇ。
何よりも、この時点では、公明党はまだ結成されていないのですよ。

それを共産党は、「創価学会・公明党は強力に推進した」
というわけですから、
子供でもわかるような論理のすり替えをしているわけですねー。

帰国事業に反対したのは、
ほぼ、韓国側の在日本朝鮮居留民団(民団)だけですねー。
それは、理解の出来るところですねぇ。
なにせ在日朝鮮人といっても、韓国出身の人の方が、
多いわけですから。
それを全員、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に
帰国させるというわけですよ。
韓国が怒って、当たり前ともいえます。

帰国船は新潟港から出港する予定でしたが、
韓国から日本に送り込まれた工作員が、
帰国事業を妨害する目的で、
昭和34年12月4日、新潟日赤センター爆破未遂事件を起こしていますねぇ。

ただ、当時の韓国というのは、朝鮮戦争によって疲弊してしまい、
復興はほとんどできていませんでした。
喜んで帰国できるような国の状況ではなかったのです。
それに対して北朝鮮は、ソ連の支援も受け、
朝鮮総連などが『地上の楽園』であると宣伝していたわけですねー。

この2国の政治状況を利用して、
勢力を伸ばそうとしたのが共産党なのですねー。
当時の日本共産党と朝鮮労働党の関係は
親密な友好関係でしたねぇ。
だから、日共と朝鮮総聯との関係も、非常に友好なものでした。
朝鮮総聯の活動家の多くが、共産党員として
日本人党員と共に戦ってきたメンバーだったのですよ。

朝鮮労働党と日本共産党は共に、共産革命を実現するための、
同志として関係づけられていたわけです。
そして、この帰国事業が、共産主義の達成につながる、
大きなチャンスとして位置づけて、
闘争方針を組み立てていたわけですねー。

共産党は、「資本主義社会である韓国を見てみろ。
政権も不安定で、泥沼のような国になっているではないか。
これが資本主義社会の行き着く先だ。
それに対して社会主義の北朝鮮を見てみろ。
政権は素晴らしい国家を作り上げ、
国民は、豊かな生活と希望を持って生きているではないか。
人民が目指すべき理想の社会は、社会主義であり共産主義だ」
と声を高らかに言いたいわけですねー。

そしてそれは当然、日本の社会の中で、
国民が共産主義国家に、理想と希望を抱いて、
選挙のときには、日本共産党に投票してもらうことを
目的にしているわけですねー。
さらにその延長として、日本に共産革命を
成就しようということがあったのも当然です。

共産党にこのような意図があって、
在日朝鮮人帰国事業を積極的に進めたというのは、
多くの人が認めているところですねぇ。

帰国事業は、表向きは赤十字の主体で、人道と人権を名目に、
進められていきました。
新潟日赤センター爆破未遂事件の10日後、
昭和34年12月14日に第1次帰国船が新潟港を出港しましたねぇ。

その後、昭和42年、第155次の帰還船を最後に中断します。
この間に、在日朝鮮人と結婚していた日本人妻・夫も共に
北朝鮮へと旅立ちましたねぇ。 2,000人近くの人たちがいました。
帰国事業は、その後、また再開して、
結局、昭和59年まで続くことになりましたねぇ。

ここでしっかりと押さえなければならないことがありますよ。
それは、第1次帰国船が出発してから、数年後には、
帰国先の北朝鮮が、『地上の楽園』ではなく『凍土の地獄』であることが、
日本に徐々に伝わって来ていたという事実なのですよ。

昭和35年年には、4万9千名が、昭和36に年には、2万3千名近くが
帰国していたのに対して、昭和38年年になると、
3千5百名に激減したのですねー。

この理由は、帰国者から日本にいる関係者に、現地の情報が、
様々に入ってきたことによるものですねぇ。
それは、北朝鮮が楽園どころか、
恐るべき地獄であるという現実だったのですよ。

日本共産党の罪深さはここにあるのです。
地獄であると分かってからも、
帰国事業を積極的に推進したのです。
これは紛れもない事実なのですよ。

在日朝鮮人帰国事業は、様々な立場から、
様々な見方がある、評価の非常に難しい事業であったことは確かです。
多くの資料や研究書が残されていることからも
それがうかがえますねぇ。

ただその中でも、共産党が積極的に推進して、
結果的に多くの犠牲者を出したという見解は、
多くの人が認めているところなのですよ。

公明党は、この事実をもって共産党を責めたのですねー。
すると、これに対して共産産党は、
次のように反論をしてきたのです。
見出しだけ書いておきますよ。

《北朝鮮への帰国事業
創価学会が賛成した事実をなぜ隠すのか
―池田大作発言は動かぬ証拠》

ここで出してきた「動かぬ証拠」というのは
次のことですねぇ。

「北鮮帰還などというのも、
やはり東洋広布の大前提なのですから」

これは創価学会の池田総務(当時の役職)が、
昭和35年に創価学会福岡支部の幹部会で話した内容ですねぇ。
この文章をもって、共産党は、
「創価学会の勢力拡大の機会として、
帰国事業を肯定していた」
と鬼の首でも取ったように主張しているのですねー。

この言い方は、一言で言って、あきれるしかありませんねぇ。
こんなこと、日本共産党以外、誰も言っていませんよ。
まさに、日本共産党の得意なこじつけの見本のようなものですねー。

簡単な道理ですが、「帰国事業を肯定していた」と批判していますが、
当時の多くの著名人や団体は大抵、帰国事業を肯定していたのですよ。
人権・人道上の課題だったのですから。
それは、共産党が推進した『凍土の地獄』送りとは、
次元を異にしているのですよ。
次元が違うものを、同次元にするという、
こじつけ以外の何物でもありませんねぇ。

さらに、池田総務が話したその部分は、
肯定するとか、しないとかという文脈の話ではないのです。
その部分が話される前には、次のような話があったのです。

「かつては、創価学会が、官憲によって弾圧されておった最中は、
日本軍は地獄の使いとして、東洋に、中国、朝鮮、
そしてマレーに、ボルネオに、東南アジアまで、
ぜんぶ進んでおりました(中略)
今度は時を変えて、仏の使いが、如来の使いが大勢、
東洋広布に、今まで苦しめておった東洋民族を救うために(行くのです)」

このような話の続きでの内容なのですねー。
「創価学会が、人々の幸福のため、平和のために、
様々な国に出かけていく時代になった」
ということの1つの例として帰国事業を出しているにすぎないのですねぇ。

さらに同じような趣旨の話として、同じく昭和35年に女子部幹部会で
池田総務が次のように話していますねぇ。

「 一閻浮提のなかに入るアメリカ合衆国にも、
数百世帯の人々がご本尊様を拝んでいます。
南朝、北朝、中国、ビルマ、インドにも5世帯、10世帯と
御本尊様を受持していく人がだんだんと増えています」

池田総務の主張している趣旨は同じですねー。

この3つの文章を読んで、
「池田総務は、『共産党が日本を共産主義社会に
革命するために帰国事業を利用している』のと、
同じように、政治的に帰国事業を利用している」
などと解釈したら、国語の得意な中学生に笑われますねぇ。

創価学会は、あらゆる機会を通じて、
世界の人々に日蓮仏教を教えてあげ、
それぞれの国民の幸福と国家の繁栄を願っているのが、
事実ですねー。

何よりも、それが真実の目的である証拠として、
日本以外の国で、創価学会が政党を立ち上げたり、
特定の政党を支持している国はありませんねぇ。

それなのに共産党は、
「帰国事業にたいする創価学会と
公明党の『政治的見解』は明らかです」
と言い張るのです。
ここまで来ると、こじつけや屁理屈というよりも、
あきれて、ものが言えませんねぇ。

どうして日本だけ、政治に関わるのかという事は
別の話にしましょう。


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