創価学会と分離した日蓮正宗についての件です。
京都に臨済宗(禅宗)妙心寺派大本山の妙心寺があります。
市内にもかかわらず広大な土地に、多くの伽藍が立ち並ぶ名刹です。
禅宗としては国内最大級の寺院です。
妙心寺の隣接地に花園大学がありました。(現在は移転)
この大学の前身は、禅宗の僧侶を養成するための専門学校でした。
その後、大学に昇格しましたが、当然ながら、
僧侶養成のための仏教学科は伝統的な存在として現在も継続しています。
日蓮大聖人は、禅宗に対して、
「禅天魔」(禅宗は思想的撹乱を来たす悪法である)
と厳しく断罪しています。
当然ながら、花園大学の仏教学科で学ぶ内容は、
「禅天魔」の教えを学ぶことになり、
日蓮大聖人の教えとは真っ向から相反するものです。
ところが驚くべきことに、仏教学科の同窓生名簿を見ると、
日蓮正宗の僧侶が多数、名簿に載っているのです。
そして卒業後の進路先は、日蓮正宗の寺院になっています。
この日蓮大聖人の教えに違背する事態について、
日蓮正宗側の説明は、たいてい、
「一般的な仏教を学習させるために行かせている。
花園大学に限った事ではなく、仏教系の大学の仏教学科には、
多く行かせている。日蓮大聖人が、
修行時代に様々な宗派の寺院に行き、仏教を勉強したのと同じだ」
と反論します。
この反論は、一見、道理にかなっているように思えますが、
実はそれは、仏教学科の実情に無知であるところからきています。
花園大学の仏教学科の講義内容というのは、
仏教概説のような一般的な仏教の学習はほんのわずかで、
4年間を通じて、禅宗の勉強を中心に行うのです。当たり前といえば当たり前です。
勉強といっても多くの時間を
様々な行事の作法のやり方などに費やします。
将来、一人前に禅宗の僧侶として務められるようにするためです。
仏教学科の学生は、大学に禅宗用の袈裟を着て登校します。
そして、いつでも、と言えほど多くの時間を、
隣の妙心寺の禅堂で座禅を組みます。
食事のときには、食べる前に唱える経文の練習をします。
さらに、葬式や法要など様々な宗教行事の行い方を細かく練習するのです。
また、講義といえば、禅宗専門の教義や、禅宗問答の学習で、
禅宗にしか通じない特殊な内容のものばかりです。
この実情を知っている人から見れば、日蓮正宗側の反論は、
全く無意味であることが、すぐに分ります。
結局は、こういう日蓮正宗の僧侶は、
謗法厳戒である日蓮大聖人の教えに、
根本的に違背していると言えないでしょうか。
また、それを認めている日蓮正宗も、宗派全体として、
日蓮大聖人に、敵対していると言えないでしょうか。